東北の温泉の特徴と魅力
温泉大国の日本には全国各地に様々な温泉がありますが、青森・岩手・宮城・山形・秋田・福島の6つの県から成る東北地方は特に温泉が集中している温泉密集地帯といえます。
ここでは東北地方にある温泉の特徴をご説明するとともに、その魅力を解説していきましょう。
東北の温泉の特徴
温泉大国の日本のなかでも山に囲まれた東北地方は特に温泉が集中しており、6つの県の温泉地を合わせるとなんと600以上もの数にのぼります。
そのなかには1,900年ほど前に発見され、古くから湯治場として栄えてきた「蔵王温泉」のように歴史ある温泉地や、「酸ヶ湯温泉」をはじめとする国民保養温泉地に指定された温泉地も数多くあり、特色ある温泉地の宝庫といえます。
また街の中心部から車で10~30分程度とアクセスしやすい位置にある温泉地も少なくなく、観光の拠点に便利な点もポイント。温泉が密集しているので温泉地間の移動がしやすく、日帰りで湯巡りを楽しむのにも最適といえます。
東北の温泉の魅力
東北の温泉の魅力は、それぞれの県に個性的な温泉地が数多くあることといえるでしょう。江戸時代から続く湯治場や異なる泉質を楽しめる温泉郷、大自然に囲まれた秘湯など、どれもわざわざ足を運びたくなるところばかりです。
また、今でも昔の建物が並ぶ趣ある街並みの温泉街が多いのも魅力のひとつ。なかでも山形県の「銀山温泉」は観光スポットとして特に有名で、大正ロマンを感じさせる街並みを一目見ようと海外からもたくさんの観光客が訪れています。
文人や著名人に縁のある温泉地が多いのも、歴史好きの方にとってはたまらないポイントといえるでしょう。
東北の温泉でおすすめの温泉地をご紹介!
ここからは、東北に旅行に行くならぜひ足を運んでもらいたい10カ所の温泉地を厳選してご紹介します。
「自然のアクティビティや観光も楽しみたい」「日帰りだけど温泉巡りをしてみたい」「レトロな温泉街でのんびり過ごしたい」といった要望が叶う温泉地をピックアップしていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
浅虫温泉(青森県青森市)
『浅虫温泉』は、平安時代に慈覚大師(円仁)によって発見された1,200年以上の歴史を持つ「青森の奥座敷」。陸奥湾に面したその景観や地形から「東北の熱海」とも呼ばれており、周辺には景色を一望できるホテルや旅館が多く集まっています。
また青森駅から車や電車で約30分とアクセス良好で、観光の拠点としても最適。夏季には海水浴やカヤック、ヨットクルージングなどの海のアクティビティが盛んに行われています。
冬季には少し足を伸ばして八甲田の雪原ツアーに参加するのもおすすめ。浅虫温泉駅の近くには無料の足湯が2カ所あり、観光案内所では貸出タオル(1枚30円)も用意されています。
酸ヶ湯温泉(青森県青森市)
江戸時代から湯治場として開かれ、昭和29年に「国民保養温泉地第1号」に指定された歴史ある温泉地です。白濁の酸性硫黄泉は神経痛や筋肉痛、五十肩、運動麻痺、慢性消化器病などあらゆる体の不調に効能があるといわれています。
名物の「ヒバ千人風呂」は高さ約5m、約160畳もの広さを誇る混浴大浴場であり、柱一本ない総ヒバ造りの空間に白く湯けむりが立ち込めるノスタルジックな雰囲気を味わえます。
売店では女性のために湯あみ着(1,300円)も販売されていますが、混浴は気が引ける…という方は女性専用時間帯(8~9時・21~22時)に利用するとよいでしょう。また、男女別の「玉の湯」もあるので、そちらの利用もおすすめです。
花巻温泉郷(岩手県花巻市)
岩手県花巻市の西部、台川と豊沢川沿いに泉質が異なる12の温泉が湧く『花巻温泉郷』。一軒宿や湯治場、大型ホテルなど様々な宿があり、日帰り温泉を楽しめる施設も多く存在します。
およそ300年~400年前に湯元が発見されたといわれていますが、なかには平安時代の坂上田村麻呂が発見したとされる秘湯も。昔ながらの温泉宿が並ぶ「台温泉」や、歴代の南部藩主や宮沢賢治をはじめとする文人も利用した「大沢温泉」など個性豊かな温泉がそろっており、異なる趣の温泉巡りを楽しめます。
また、北東北の代表的な温泉リゾートで有名な「花巻温泉」のバラ園には宮沢賢治が設計した日時計花壇があり、観光スポットとしても人気です。
乳頭温泉郷(秋田県仙北市)
十和田・八幡平国立公園内にて、ブナの原生林に囲まれた7つの温泉が点在する温泉郷。鶴の湯・妙乃湯・蟹場・大釜・孫六・黒湯それぞれの温泉が一軒宿で構成されており、独自に源泉を持っているのが特徴です。
温泉によって泉質が全く異なり、“7湯巡りの温泉浴は万病に効く”と言い伝えられているのだとか。江戸時代に秋田藩主の湯治場として利用されていた当時の面影が今でも色濃く残っており、情緒溢れる雰囲気のなかで移ろいゆく自然の景色を眺めながら温泉を楽しめます。
湯巡りを楽しむなら、各施設のフロントで購入できる湯めぐり帖(2,500円)の利用がおすすめ。こちらは宿泊者限定ですが、湯めぐり号のバスの乗車券とそれぞれの施設での入浴券がセットになっていてお得に楽しめます。
秋保温泉(宮城県仙台市)
仙台市街から車で30分程度とほど近く、日帰り入浴でも人気の「仙台の奥座敷」。古くから有馬温泉や道後温泉と並んで「日本三名湯」のひとつにも数えられており、戦国時代にはあの伊達政宗もしばしば療養に訪れたと伝えられています。
その歴史は古く、第29代欽明天皇(在位期間531年~539年)が温泉のお湯に浸かったところ小瘡が全快したというエピソードが残されており、「名取の御湯」の称号を賜ったことでも有名です。
温泉街の周辺には国の名勝に指定されている「秋保大滝」や「磊々峡(らいらいきょう)」などのほか、美術館や天文台、カフェなども多くあり、見どころがいっぱいです。
鳴子温泉(宮城県大崎市)
宮城県の最北端にある『鳴子温泉』は、鳴子温泉郷(鳴子・東鳴子・川渡・中山平・鬼首)のなかで最も大きく、「奥州三名湯」のひとつにも数えられる温泉です。江戸時代から湯治場として親しまれており、国民保養温泉地にも指定されています。
多くの宿が自家源泉を所有していて、宿ごとに色も感触も全く異なる泉質の温泉を楽しめるので色々と巡ってみるのがおすすめ。
駅前に広がる温泉街には無料の足湯や手湯のほか、「滝の湯」と「早稲田桟敷湯」の2つの共同浴場があり、観光客も気軽に入浴しやすいですよ。
また、街のあちこちには名産品のこけしのオブジェが立っていたり、こけしの絵付けが体験できる店があったりと地元の伝統工芸を身近に感じられるのも魅力です。
銀山温泉(山形県尾花沢市)
NHK連続テレビ小説「おしん」の舞台になったことで注目を集め、今では海外からの観光客にも人気の『銀山温泉』。
大正末期から昭和初期に建てられた木造旅館が多く並び、大正ロマン漂うレトロな街並みが魅力の温泉地です。
夜になると石畳の歩道沿いにあるガス灯が灯り、より一層情緒溢れる景色を楽しめますよ。
温泉街は端から端まで片道約5分で行けるほど非常にコンパクトですが、蕎麦屋や尾花沢牛を使った地元料理の店などの飲食店や地酒も買える土産物屋のほか、着物や袴をレンタルできるショップもあり、時間を忘れてゆっくりと過ごせるでしょう。
5~10月までの毎週末には橋の上で花笠踊りが披露されます。
蔵王温泉(山形県山形市)
開湯1,900年の歴史を誇り、「奥羽三高湯」のひとつに数えられている『蔵王温泉』。蔵王温泉スキー場に隣接しており、冬になるとウィンタースポーツを興じる観光客で特に賑わいを見せます。
特徴は何といっても東北随一といわれる強酸性の硫黄泉。血管の若返りや美肌を促進する“美人づくりの湯”として定評があり、さらには心臓や便秘、糖尿病など様々な症状にも効果があるといわれています。
また、湯けむりが立ち上がる温泉街には昔ながらの温泉宿が並び、風情ある街並みを楽しめるのも魅力のひとつ。3つの共同浴場や足湯のほか5つの日帰り温泉施設もあり、日帰りでも湯巡りを満喫できますよ。
高湯温泉(福島県福島市)
開湯400年以上の歴史がある『高湯温泉』は、福島屈指の名湯と名高い温泉地です。薬効成分が高い乳白色の硫黄泉は全国でも有数の硫黄濃度の高さが有名で、その酸性の強さから湯に入った瞬間にピリピリとした刺激を感じる人もいるのだそう。
「源泉かけ流し宣言」をしており、加水や加温などを一切行わず天然温泉を効能豊かなままに提供しているのが特徴です。
また、多くの温泉地と違い「一切の鳴り物を禁ず」という古くからのしきたりを今でも守っているため、旅館以外のカフェやレストラン、土産物屋などがないのも高湯温泉ならでは。
四季折々に変化する吾妻連峰の景色を眺め、野鳥のさえずりに耳を澄ましながら、純粋に温泉を楽しむことができます。
会津東山温泉(福島県会津若松市)
会津若松市の中心地から車でわずか10分程度とアクセスしやすく、会津エリア観光の拠点としてもおすすめの『会津東山温泉』。周辺には滝や奇岩が点在する湯川渓谷や東山ダムなどがあり、都市部の近くとは思えないほど豊かな自然と趣ある温泉街が魅力の温泉地です。
1,300年前に名僧・行基によって発見された“会津若松の奥座敷”であり、かつては大正ロマンを代表する画家の竹久夢二や歌人の与謝野晶子らもたびたび訪れていたのだとか。
城下町らしい木造の温泉旅館が多く建ち並び、しっとりした佇まいの街並みを散策するだけで非日常気分を味わえますよ。名物のソースカツ丼を提供している飲食店や老舗羊羹の店などのほか、レトロな雰囲気が漂う射的場もあります。
まとめ
今回は東北の温泉の特徴と魅力を解説するとともに、おすすめの温泉地をご紹介しましたが、いかがでしたか?
温泉密集地域の東北には各県に特色ある温泉地が存在し、日帰りで湯巡りを楽しむのにもぴったりです。
大自然の秘湯で純粋に温泉を楽しんだり、趣ある街並みの温泉街を散策したりと場所によって楽しみ方も異なるので、気分に合わせて色々と巡ってみるのも面白いでしょう。
今度の休みにはぜひ東北の温泉で日々の疲れを癒してみてはいかがでしょうか?